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名曲ってなんだろう

クラシック、ポップ、ジャズ、テクノやその他細々としたいろんなジャンルの音楽を聴きながら、名曲ってなんだろうと思う。

長く愛することのできる曲。
これが最もしっくり来る定義。
どんなに刺激的な曲でも、何度も聴けば飽きが来る。その飽きを乗り越えるというか、しばらく他の曲を聴いてから戻ってきたときに、改めて良さを感じられる、何かホームに戻ってきたときのような安心感を与えてくれる曲。

そういう意味でいうと、ポップ・ミュージックは名曲にはなかなかなりにくい。
刺激的という意味では、音楽の魅力がわかりやすいので、すぐに耳に馴染むんだけれど、曲がアーティストに依存しているというか、その歌手のオリジナルがやっぱり一番いいみたいなところがある。
クラシックやジャズだと、曲はあくまで素材で、演奏するアーティストがその味をそれぞれの方法で引き出していく。
だから、名盤はあっても、それ以外が「カバー」のような存在になるわけではなく、それぞれに異なる性格があって、異なる魅力がある。
「君の瞳に恋してる」(Can't take my eyes off of you)みたいに、カバーが大ヒットする例はあるにしても、ポップ・ミュージックでは極めて稀なケースだ。

ただ、クラシックやジャズが万能かというとそうではない。やっぱり一つのジャンルに固執すると、疲れて他のジャンルが聴きたくなってしまう。

よく「無人島に1枚だけCDを持っていけるとしたら…」みたいなのがあって、自分ならグールドの晩年の「ゴルトベルク変奏曲」を間違いなく選ぶわけだけど、それでもずっと聴いていたら、他のものが聴きたくなるはずだ。
レオンハルトの「ゴルトベルク変奏曲」が聴きたくなるし、リヒターの「ミサ曲ロ短調」やシェリングの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」が聴きたくなるし、モーツァルトの「レクイエム」やベートーヴェン「第九」や「皇帝」も聴きたいし、ショパンラヴェルなんかも欲しくなる。
そのうち、ハービー・ハンコックジミー・スミスジョージ・ベンソンに渇望し出すだろうし、そこからテイラー・スウィフトマイケル・ジャクソンビートルズに走るかもしれない。
あるいは電気グルーヴ松任谷由実スピッツとかもたまにはあったほうがいい。
国歌に感動したり、子どもの曲にホロリとしたり、映画音楽で名シーンを思い浮かべて涙したりとかもあると思う。

そういうのをいろいろ考えていると、改めて名曲ってなんだろうと思う。